畳替えの周期は何年くらい?畳替えに最適な季節は?そもそも、畳替えってどうするの?ー
畳替えをしたことがない方にとっては分からないことだらけ。ここでは畳替えでよくある疑問や、なぜ定期的な畳替えが必要なのかを分かりやすく説明してみたいと思います。
そもそも「畳替え」とは?
いざ畳替えをしようと思って畳屋さんに問い合わせをすると、「表替えですか?」とか聞かれることがあります。
「表替え=おもてがえ」と読むのですが、畳替えの方法の中では最もポピュラーなものなんです。でもいきなり聞かれても、
「オモテガエってなに?」
てなりますよね。そこで、ここでは畳替えの種類・方法や、それを行う適切な時期を、分かりやすく解説してみたいと思います。
今敷かれている畳についている「畳表(ゴザ)」のみを新品に張り替える方法です。いわゆる「定期的な畳替え」という場合、多くはこの「表替え」のことを指しています。
畳表は直接目に見える表面に出ていて人の肌とも触れる部分ですから、それによる傷みや経年などによって次第に劣化が進んでいきます。
畳表は「消耗品」なのです。
定期的に表替えをすれば、畳本来の品質やお部屋の衛生を保つことにつながります。これが「正しい畳の使い方」というわけです。
表替えの周期は用途や畳のランクにもよりますが、できれば10年前後くらいではおこなっていただきたいです。
「表替え」床はそのままで新しい畳表に張り替えます。
読んで字の如く、畳本体全部を新品と取り替える方法です。
表替えと比べて新調(新畳)をする時期はあまり明確な基準はありません。畳床の状態に不満がなければ使い続けることは可能ですから、最後まで一度も新調しないままという場合もあります。とはいえ長い年月を使用するとその分埃や汚れの堆積・付着も増えていきますので、あまりに長期にわたっての使用は性能面でも衛生面でもよろしいとは言えないでしょう。
表替えを何度か繰り返すなかで気になるところがあれば新調を検討してみてもよいかもしれません。
「新調(新畳)」床も畳表も全て新しくします。
表替えは5~10年毎が最適だけど
畳替えを適切な周期で行うことによって、快適なお部屋の環境を維持することができます。 ではその適切な周期とはどのくらいの間隔なのでしょうか。
間隔が短すぎると大変だし、長すぎると衛生的にもよくありません。この点から、畳の替えの理想の周期が「5~10年毎に表替え、20年以上経過して畳床がへたってきたら新調」とされています。
ただし、これはあくまでも「理想的」な周期。実際に皆さんが畳替えを行っている時期をみると、その使い方次第で畳替えの周期に大きな隔たりがあります。
例えば子供部屋など使い方の激しいお部屋は周期は比較的短くて、使わない部屋では周期も長くなりがちです。
これらを総じて平均的なところでいうと、実際には理想的な畳替え時期よりも数年長く(例えば表替えなら10年以上)使われているケースが多いと思います。
ただ多少間隔が長くなっても、定期的な畳替えをすることは畳を上手に使っていくうえで大切なことです。
畳替えに最適な季節とは
まず畳替えが最も多い時期はといえば、それは間違いなく「秋」です。
秋に入ると夏の暑さが落ち着いて過ごしやすくなりますし、年末年始が近づくこともあって畳替えのきっかけになりやすい時期でもあります。畳にとっても気温・湿度とも下がるのでカビ発生のリスクが減りますので最適なんですね。
またこの時期からその年に獲れた「新草」の畳表が出回り始めますから、新草をご希望のお客様がこの時期を指定されることもあります。
では他の季節は畳替えに適さないのかといえばそんなことはありません。
例えば畳替えでよく心配されるカビについては、リスク回避で梅雨が明けてから畳替えしたとしても翌年の梅雨まではカビ発生のリスクはまだ高い状態です。なので畳替えをした時期にかかわらず最低1年間はカビ防止により注意を払う必要があります。
ちなみに畳替えをするなら実は「冬」1月~2月あたりがわりとお勧めです。まず畳屋さん的に年末の畳替え仕事が落ち着いて日程の自由度が高いということがあります。畳そのものについても、冬は秋よりもさらに湿度が下がることで畳表はがっちりと引き締まって一番良い状態を楽しむことができるんです。
いつ替えたとしてもその後は何年にも渡って一緒に過ごすことになる畳ですから、先に書いたカビの発生回避など注意すべき点を踏まえてもらえば「替えたいと思ったときが替えどき」でよいのではないかと思います。
替えたいと思ったときが畳の替えどき。変わる季節に寄り添うような畳の良さを楽しんで。
「縁付き」か、「縁無し」か。
少し前までは畳といえばほぼ縁付き畳だったんですが、最近の住宅では縁なし畳(琉球畳)が使われることが多いです。
縁付き畳は従来通りのいわゆる「定番の畳」、縁なし畳は最近のモダンな家でよく見かける正方形の畳のことです。
縁なし畳は非常に人気が高く、最近は縁付きの畳が敷いてある住宅でも縁なし畳に入れ替えるケースが増えています。上でご説明した「表替え」や「新調」は縁付き畳が前提のお話ですが、縁なし畳に替える場合は「新調」施工が前提です。
理想の周期で、理想的な生活環境を。
畳替えを理想的な周期で行うのにはちゃんとした意味があります。それは、畳替えを定期的に行なうことは同時に「大掃除」を定期的に行なうことにもなるということです。
畳替えをする場合は必然的に部屋の家具全てを移動することになるため、長い間にたまった家具の裏のゴミやほこりもまとめて取り除くことが可能になる、というわけです。
普段の生活ではなかなか気づきにくいですが、いつも直に接しているものですから定期的な畳替えを心がけていただければと思います。
タンスや本棚、テレビなど大型家具の裏側は、普段の掃除はもちろん年に一度の大掃除でもなかなか手が届きにくいものです。 定期的な畳替えでこれらのゴミや埃をきれいに取りのぞくことで、衛生的なお部屋の環境維持にもつながります。
実際に「畳替え」ではどのような作業が行われるのか、その流れを簡単に見てみましょう。
表替えの場合は、たいてい上の作業を1日で完了させることができます。ただし部屋数が多い場合は数日程度に分けて行います。1日あたりの作業は、朝から「引き取り」作業完了後夕方頃に「敷き込み」所要時間はそれぞれ30分~1時間程度となります。