畳替え(表替え)の周期は5~10年毎が理想的です。でも世の中、理想と現実は違うもの。実際には10年どころか1度も畳替えしたことがない方も多いのでは?そこで、ここでは畳替えの理想的な時期や、なぜ定期的な畳替えが必要なのかを分かりやすく説明してみたいと思います。
「表替え」ってなあに?
いざ、畳替えをしようと思って畳屋さんに問い合わせをすると、「表替えですか?」とか聞かれることがあります。
「表替え=おもてがえ」と読むのですが、畳替えの方法の中では最もポピュラーなものなんです。でもいきなり聞かれても、
「オモテガエってなに?」
てなりますよね。そこで、ここでは畳替えの種類・方法や、それを行う適切な時期を、分かりやすく解説してみたいと思います。
今、敷かれている畳についている「畳表(ゴザ)」のみを新品に張替えする方法です。
いわゆる「定期的な畳替え」という場合、多くはこの「表替え」のことを指しています。畳表は直接目に見える表面に出ていて、人の肌とも触れる部分ですから、それによる傷みや経年などによって次第に劣化が進んでいきます。
畳表は「消耗品」なのです。
なので、定期的な表替えで品質や衛生を保つのが、本来の畳の使い方というわけです。
表替えは5~10年毎に定期的に行うと理想的です。
「表替え」床はそのままで新しい畳表に張り替えます。
読んで字の如く、畳本体全部を新品と取り替える方法です。
表替えと比べて新調(新畳)をする時期はあまり明確な基準がないのですが、長い年月を使用すると畳床(土台)の傷み具合(凸凹やすき間など)が大きくなってきたり、埃などの堆積・付着なども増えていきます。なので、一見問題ないようでも、あまりに長期にわたっての使用は性能面でも衛生面でもよろしいとは言えないでしょう。
おおむね20年以上経過した畳は、この「新調」を検討してもよいと思います。
「新調(新畳)」床も畳表も全て新しくします。
表替えは5~10年毎が最適だけど
畳替えを適切な周期で行うことによって、快適なお部屋の環境を維持することができます。 では、その畳替えの理想的な周期とはどのくらいの間隔なのでしょうか。
間隔が短すぎると大変だし、長すぎると衛生的にもよくありません。この点から、畳の替え時としては、「5~10年毎に表替え、20年以上経過して畳床がへたってきたら新調」というのが理想的です。
ただし、これはあくまでも「理想的」な周期。実際に皆さんが畳替えを行っている時期をみると、その使い方次第で畳替えの周期に大きな隔たりがあります。
例えば子供部屋など使い方の激しいお部屋は周期は比較的短くて、使わない部屋では周期も長くなりがちです。
これらを総じて平均的なところでいうと、実際には理想的な畳替え時期よりも4、5年程度長く(例えば表替えなら10~15年程度)使われているケースが多いと思います。
ただ多少間隔が長くなっても、定期的な畳替えをすることは、畳を上手に使っていくうえで大切なことです。
「縁付き」か、「縁無し」か。
少し前までは、畳といえばほぼ縁付き畳だったんですが、最近の住宅では縁なし畳(琉球畳)が使われることが多いです。
縁付き畳は従来通りの、いわゆる「定番の畳」、縁なし畳は最近のモダンな家でよく見かける、正方形の畳のことです。
縁なし畳は非常に人気が高く、最近は縁付きの畳が敷いてある住宅でも、縁なし畳に入れ替えるケースが増えています。上でご説明した「表替え」や「新調」は縁付き畳が前提のお話ですが、縁なし畳に替える場合は「新調」施工が前提です。
理想の周期で、理想的な生活環境を。
畳替えを理想的な周期で行うのには、ちゃんとした意味があります。それは、畳替えを定期的に行なうことは、同時に「大掃除」を定期的に行なうことにもなるということです。
畳替えをする場合は必然的に部屋の家具全てを移動することになるため、長い間にたまった家具の裏のゴミやほこりもまとめて取り除くことが可能になる、というわけです。
普段の生活ではなかなか気づきにくいですが、いつも直に接しているものですから定期的な畳替えを心がけていただければと思います。
タンスや本棚、テレビなど大型家具の裏側は、普段の掃除はもちろん年に一度の大掃除でもなかなか手が届きにくいものです。 定期的な畳替えでこれらのゴミや埃をきれいに取りのぞくことで、衛生的なお部屋の環境維持にもつながります。
実際に「畳替え」ではどのような作業が行われるのか、その流れを簡単に見てみましょう。
表替えの場合は、たいてい上の作業を1日で完了させることができます。朝から「引き取り」をして、夕方頃に「敷き込み」という形になります。
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